Instagramを活用して集客をする企業が増えていますが、無料で利用できる「ショッピング機能」を設定すると自然な形でECサイトへの誘導が可能となります。

しかし、ショッピング機能を設定するには、InstagramのビジネスアカウントとFacebookページの準備をした上で、更にSNS間の連携と審査申請が必要です。

この記事では、ショッピング機能を設定する6つの手順とメリット・デメリットについて解説しています。
簡単に導入できるよう、ステップバイステップでまとめているのでInstagramのショッピング機能を設定したい企業担当者の方は参考にしてください。

Instagramショッピング機能「Shop Now(ショップナウ)」とは?

Instagramショッピング機能「Shop Now(ショップナウ)」とはInstagramの投稿にある写真や動画から簡単に買い物ができる機能す。

Instagramアプリにはフィード・検索・リールと並び、ショッピング専用のタブもあり、ショッピング機能による新規顧客へのアプローチは多くの可能性を持っています。

また、ショッピング機能の設定を完了することで、商品タグのタップから僅か1タップでECサイトなどの購入ページへ誘導することができ売上の向上が期待できます。

利用料は無料ですが、設定にはInstagramとFacebookでの操作とショッピング機能利用の審査を申請する必要があります。

ただ、審査に落ちた場合でも再審査の制限はないので、手順に沿って設定を完了させ早めに審査申請をすると良いでしょう。

Instagramショッピング機能「Shop Now(ショップナウ)」を設定する6つの手順

ショッピング機能の利用に必要なのは、InstagramとFacebookでの設定と連携です。

設定完了後は、Instagramに審査申請をし、通常は数日〜1週間ほどで利用ができるようになります。少し複雑な設定ですが、簡単に導入できるように6つの手順としてステップバイステップで解説します。

導入に必要な利用要件を確認

まず、コマース利用要件を確認し参加資格を満たしているか確認します。

利用要件には、下記4点が記載されています。

利用要件
  • Instagram及びFacebookの利用規約、コマースポリシー等を遵守している
  • 認証済みのWebドメインから商品を直接購入できる状態である
  • Instagramショッピングを利用できる国や地域に拠点がある
  • ビジネスまたはクリエイターアカウントにてフォロワー数の維持や信頼性を示すこと

日本はショッピング利用の対象国に該当していますので問題なく利用ができます。

海外拠点が対照外国の場合は、VPNやプロキシサービスを使用しての設定であっても利用停止のペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。

また、ショッピング機能の利用開始するためには、設定後にInstagramへアカウント審査を申請する必要があります。審査期間は通常数日で終了するとのことですが、アカウントによっては数週間単位の審査期間を要します。

Instagramのビジネスアカウント設定

Instagramのショッピング機能を設定するには、プロアカウントへの変更が必須です。

プロアカウントは「ビジネス」もしくは「クリエイター」の選択ができますが、ショッピング機能を利用するのであればアカウント分析ができる「ビジネスプロアカウント」の一択です。

プロフィール画面を開き、右上の3本線(メニュー)を選択すると、一番上に[設定]があるのでタップします。

次に中央下にある[アカウント]を選択し、一番下にある[プロアカウントに切り替える]をタップすると下記4つの確認事項が表示されるので先へ進めます。

  1. 無料のプロアカウントを取得 [次へ]をタップ
  2. フォロワーに関する情報をチェック [次へ]をタップ
  3. より多くの人にリーチ [次へ]をタップ
  4. 新しい連絡オプションを利用できます [次へ]をタップ

最後に[あなたに一番合ったアカウントタイプを選択してください:ビジネス]を選択、[今はFacebookにリンクをしない]をタップ、ビジネスカテゴリーと連絡先情報を入力し、切り替えは完了です。

Facebookページの作成

Instagramのショッピング機能を設定するには、Facebookページを作成する必要があります。Facebookページとは、複数人で運用ができる無料のビジネス向けページを指します。

右下の3本線(メニュー)を選択すると、すべてのショートカットに[ページ]あるのでタップします。次に左上の[作成]をタップ、[スタート]を選択すると、下記4つの質問が表示されるので入力して先へ進めます。

  1. 作成するページの内容に一番よく当てはまるカテゴリはどれですか? 入力し[次へ]をタップ
  2. ページ名を入力してください 入力し[次へ]をタップ
  3. 〇〇のウェブサイトがありますか? 入力し[次へ]をタップ
  4. ページに画像を追加 追加し[次へ]をタップ

最後に、ページ情報を変更に関する下記5つの質問が表示されるので入力します。

  1. 詳細の更新を入力し[保存]をタップ
  2. 電話番号の更新を入力し[保存]をタップ
  3. ウェブサイトの更新を入力し[保存]をタップ
  4. メールの更新を追加し[保存]をタップ
  5. 営業時間の更新を追加し[保存]をタップ

全ての入力事項が表示されるので確認をし、問題がなければFacebookページの完成です。

Facebookページで商品カタログの作成

Instagramのショッピング機能を設定するには、Facebookページでショップの作成と商品カタログの作成を行います。

まず、コマースマネージャを開き、[ショップを作成]を選択し[次へ]へをタップします。次に下記4つの質問が表示されるので、全て入力してショップの作成を完了させます。

  1. チェックアウト方法を選択[他のウェブサイトでチェックアウト]を指定し[次へ]をタップ
  2. 販売チャネルを選択[新規作成したFacebookページ]を指定し[次へ]
  3. ビジネスアカウントをリンク[作成済みのビジネスアカウント]を 指定し[次へ]をタップ
  4. 商品を追加:新しいカタログを追加[カタログ名]を入力し[設定を終了]をタップ

最後に、コマースマネージャの[商品]タブから[アイテムを追加]をします。

画像、タイトル、説明、ウェブサイトリンク、価格(JPY-日本円)、商品状態を入力し[次へ]を選択し、表示オプションを公開、在庫ありの状態で[次へ]をタップします。

商品にサイズ違い、カラー展開などがあれば、バリエーションを作成:オプションを追加、無ければ:この手順をスキップを選択し、[完了]をタップすると「アイテムがカタログに追加されました」と表示されます。

Facebookと連動可能なパートナープラットフォームを利用している場合は、Facebookカタログに商品をインポートできます。ウェブサイトを持っていない場合は、パートナープラットフォームであればInstagramのショッピング機能が利用できるので選択肢の1つとして活用すると良いでしょう。

Instagramショッピング機能の審査を申請

Facebookページのショップにカタログ作成/商品登録が完了したら、Instagramと紐付けを行い、ショッピング機能の登録審査を行います。

Instagramのプロフィール画面を開き、右上の3本線(メニュー)を選択すると、一番上に[設定]があるのでタップします。

次に中央にある[ビジネス]を選択し、一番下にある[Instagramショッピングを設定する]をタップすると下記8つの確認事項が表示されるので先へ進めます。

  1. Instagramでショッピングにを開く [開始する]をタップ
  2. Facebookアカウントをリンク [Facebookアカウントをリンク]をタップ
  3. 〇〇(Facebook登録個人名)として続行 [次へ]をタップ
  4. アカウントセンターにアカウント追加 [次へ]をタップ
  5. Instagramアカウントをアカウントセンターに追加しますか? [追加]をタップ
  6. カタログをリンク を選択し[次へ]をタップ
  7. ウェブサイトドメインを選択し[次へ]をタップ
  8. 一番下の販売者規約を遵守するを確認、同意(チェック) し[審査を申請]をタップ

こちらで自動的にInstagramで審査が開始します。

審査期間は通常数日〜1週間程度となっていますが、アカウント情報のより深い審査が必要な場合はそれ以上かかる場合もあります。

Instagramの投稿にショッピングタグを追加

Instagramから審査の承認が降りたら、投稿の写真や動画に商品をタグ付けができるようになります。ショッピングタグの追加方法は、投稿時にアカウントタグ付けをするのと同じ要領で行うことができます。

手順は下記の5つです。

  1. 新しい投稿を作成するために[+]をタップ
  2. 写真または動画を選択し、キャプション/エフェクト/フィルターを追加し[次へ]をタップ
  3. [商品をタグ付け]をタップ
  4. タグ付けする商品をカタログから選択し、ショッピングタグを任意の場所に配置
  5. [シェア]をタップ

また、ショッピングタグの追加はストーリーズでも利用可能です。

ストーリーズの場合は、写真や動画を選択し、右上にある[スタンプアイコン]をタップします。[製品スタンプ]をタップし、カタログから該当商品を選択して任意の場所に配置/シェアで完了です。

Instagramショピング機能「Shop Now(ショップナウ)」を利用するメリットとは?

Instagramのショッピング機能を設定すると3つのメリットがあります。

ショッピング機能を設定する3つのメリット
  • 広告費ゼロ円で多くのユーザーに商品を認知してもらえる
  • 商品認知から購入までの離脱率を下げられる
  • 広告ではなくカタログのように見てもらえる

より効果的な運用をするためにも、メリットを理解しておくことが重要です。順番に解説します。

広告費ゼロ円で多くのユーザーに商品を認知してもらえる

まず1つ目のメリットは、ショッピング機能の利用料が無料であるいう点です。商品の認知を広めるためには、通常多くの媒体で広告費がかかります。

ビジネスをする上で一番難しいと言われる集客の第一ステップが、ショッピング機能を設定するだけでInstagramの国内月間アクティブアカウント3,300万人にアプローチできるのです。(参照:Meta Platforms, Inc.公式サイト

広告費ゼロ円でInstagramの国内ユーザー3,300万人に認知してもらえる可能性があるというのはショッピング機能を設定する大きなメリットになります。

商品認知から購入までの離脱率を下げられる

2つ目のメリットは、商品を発見してから購入時のECサイト遷移までシームレスに繋がっているという点です。

Instagramのショッピング機能は、投稿の画像/動画、ストーリーズに商品のタグが設定できます。ユーザーが気になってショッピングタグをタップすると、商品詳細ページにWebサイトのリンクが表示され、1クリックでECサイトに遷移し購入ができます。

Instagramの投稿を発見し、購買欲の高まったユーザーをシームレスにECサイトに誘導することで、離脱率を下げることに繋がります。

広告ではなくカタログのように見てもらえる

3つ目のメリットは、Instagramの画像や動画投稿にそのままショッピングタグが付けられるので広告感が低くなるという点です。

Instagramは画像や動画の投稿をメインとしているため、商品画像にも違和感を受けづらくなっています。更にクリエイティブな画像や動画を活用することでユーザーに自然に受け入れてもらえる広告を投稿することができるでしょう。

興味喚起を引き起こすようなブランドの世界観を投稿で作り上げることによって、広告感を下げながらもカタログのように見てもらうことができます。

Instagramショッピング機能「Shop Now(ショップナウ)」を利用するデメリットとは?

Instagramのショッピング機能を利用するにはデメリットが2つあります。

ショッピング機能を設定する2つのデメリット
  • アカウント運用に人的コストがかかる
  • 商品がInstagram層にしか届かない

予めデメリットを理解しておき、より良いショッピング機能の運用スタイルを確立できるように対策しておくことが重要です。順番に解説します。

アカウント運用に人的コストがかかる

Instagramのユーザー数は3,300万人にも昇るため、商品投稿が埋もれてしまわないように戦略を立てアカウントを運用していく必要があります。

ビジネスアカウントに変更すると、インプレッション数や保存数など投稿の分析がインサイト機能で可能となります。
投稿頻度や投稿内容の高品質化はもちろん、インサイト機能を活用してフォロワー増加、露出度を高めるためのPDCAを回し続けることが大切です。

ショッピング機能のメリットを最大化するためにも、アカウント運用に人員を割くことは必須であり、人件費などの運用コストがかかることはデメリットの1つであると言えます。

ただ、新しい販売販路として効果的なアカウント運用ができれば、売上の向上に繋がるのでコスト以上の価値を出すこともできます。

商品がInstagram層にしか届かない

Instagramの年代別利用率では20代30代が最も多く60代の利用率は10%以下です。(参照:総務省の令和元年度情報通信メディア利用時間と情報行動に関する調査報告書

販売する商品がどのターゲット層向けなのかということは、売上見込みの上限にも繋がります。利用率の高い年代へ向けた商品でなければ、アカウント運用にコストをかけてもターゲットミスマッチが起こります。

ショッピング機能の利用はInstagram利用層にしか届かず、商品ターゲットと合っていないと商品購入に繋がらないというのはデメリットの1つです。

ただ、どの年代にもInstagram利用者はいるので、商品をいかにマッチしたターゲット層に見てもらえるかはアカウントの戦略によって可能となるでしょう。

Instagramショッピング機能「Shop Now(ショップナウ)」を設定して販売経路を広げよう

Instagramのショッピング機能は、6つの手順で設定ができます。

Instagramショッピング機能を設定する6つの手順
  1. 導入に必要な利用要件を確認
  2. Instagramのビジネスアカウント設定
  3. Facebookページの作成
  4. Facebookページで商品カタログの作成
  5. Instagramショッピング機能の審査を申請
  6. Instagramの投稿にショッピングタグを追加

自然に商品画像をユーザーに見てもらうことができるのが最大の魅力ですが、一方で商品ターゲットと利用者のマッチを考慮し、戦略的なアカウント運用が必須不可欠となります。

鮮度の高いユーザーが集まるInstagramで、売上の向上に結び付けるためにもInstagramのショッピング機能「Shop Now(ショップナウ)」を設定完了させましょう。